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傾向について検討することを目的のひとつとした。
さらに、陸上と海上の大きな条件の違いにプロペラの影響が挙げられる。陸上では機関に対して水動力計や発電機のようなトルク変動を機関へ与えない装置を使って負荷をかけている。出力絶対値のみを取り上げると、陸上と海上では同一値を得られるが、瞬時的なトルク変動のみを見ると、海上ではプロペラ側からの影響が有ると思われる。今回の計測では、一部の海上試運転で軸トルク変動値を連続計測して、操舵試験時等でプロペラから機関へのトルク変動値の変化による機関諸元の影響についても調査を行った。

 

本研究部会では、参加する全ての造船所及び機関メーカが分担して、以上のような陸上試運転、海上試運転及び就航後の計測及び検討を行った。即ち、この研究を通じて、これら3状態間の相違について共通の把握を行うとともに、これからの世界の船舶からの大気汚染対策をリードする上で、基礎となる部分である計測技術の統一と計測精度の向上を計ることも目的とした。

 

舶用ディーゼル機関は、各部品の経年変化によって起こる機関信頼性低下、機関性能低下等に対してタイムリーな保守(メンテナンス)が要求される。本研究では、2船で陸上試験と海上試験に引き続いて就航後1カ年までの機関各諸元についての計測を行ったが、機関を構成する各部品が1力年以上経年劣化した際の機関性能及び機関各部品の状態の定量的な把握はなされていない。本研究部会では、次年度以降の将来テーマとして機関の経年変化を実験的に模擬して把握することを目的に分科会を設けた。

 

 

 

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